走れダイエットランナー!

はからずも52にして人生を再スタートすることになりました。健康を取り戻し、また走り始めたい!

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サロマ湖100kmウルトラマラソン2017。豪雨、強風、極寒の中、 初出場のデブ友は完走を果たしました!! "Dランナー"の誇りです!!

 

 

 

 

 

僕を筆頭にして、デブなのに走ってる人っていますよね。

 

痩せたいから走り始めて。やがて、走ることの魅力にとりつかれて。

 

普通の人は、やがて痩せていきます。運動量が増えると自然に痩せていきますし、体重は少しでも少ない方が有利なので、痩せる努力も手伝って、痩せた、アスリート体型になっていく。

 

でも中には、なかなか痩せられない人もいます。僕を筆頭にして。

 

たぶん、ですけど、藤田さんも後者のカテゴリーに属する人です。僕と同じ、いわゆるデブランナー。

 

ちょっと語感が悪いので、ここでは

 

「Dランナー」

 

と呼びましょう。

 

下関海響マラソン2014 

 

あの日も、雨が降っていました。

 

2014年11月5日、下関海響マラソン。藤田さんは腰と膝を痛め、満足な練習ができずにこの大会に臨みました。スタート前に集まった時、彼は「医者からも止められているので、20kmあたりでリタイアする」、と宣言していました。

 

でも、彼にも意地があったんでしょう。後半は、暴風雨のような天気になったあの日も、ギリギリの時間で彼は完走しました。僕はそんな彼の頑張りに泣けてきました。

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北海道マラソン2015

 

2015年8月30日、北海道マラソン。僕は前年、完走したけど、この年はケガが続き、完走は難しいと自分でも思っていました。39.8kmまでたどり着いた時も、ぼお、っとしてまだ時間が読めずにいました。

 

応援に来ていた藤田さんの声が、僕の耳に届きました。

 

「(40kmの関門を指差し)あと15分ある!!もう大丈夫!!

 

この時、初めて、僕は完走できると確信しました。

 

藤田さんはこの時は、走ることなく、応援にだけきてくれたのでした。東京から札幌まで。ただ応援するためだけに。

 

確か、フルにエントリーしていたけど、怪我で走ることができなくなったのでした。せっかく飛行機も宿もあるから…ということで、応援に来てくれたのでした。

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2016年9月、八尾市立病院

 

2016年9月14日。その前日、心臓の手術を受けた僕のところに、藤田さんがお見舞いに来てくれました。

 

「こっちに出張の用事があったから。たまたま」

 

と彼は言いました。でも入院していたのは大阪は大阪でも、八尾の病院です。新幹線の駅からだと、片道で小一時間はかかる、辺鄙な場所。たまたま、ではなく、わざわざ、僕のためによってくれたのでした。

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高スペックなのに、飲むとネガティブ

 

いつも、自分を殺して、他人にばかり気を使っている藤田さん。

 

太っていることを、いつも自嘲気味に話し、気配りができすぎるせいで、メンタル面の悩みを抱えてらっしゃって。

 

実は、僕自身も同じような性格なので、とてもシンパシーを感じています。

 

でも彼は、太ってはいますが長身だし、京都大学をでて、英語はおろか、中国語、韓国語、タイ語などを駆使されて世界中を飛び回っているビジネスマン。

 

一体何を悩む必要があるのか、と思うくらいに、素晴らしいスペックの持ち主なのに…

 

酔うとなぜかネガティブな話をして、友達を困らせる一面も持つ、そんな彼。

 

去年の秋頃、少し度を過ぎたネガティブ話をしてしまった彼。たくさんの友達から、愛ある叱咤激励の言葉を受けていました。

 

そしてその日から、彼は変わったように思います。

 

 

 

 

1ヶ月に2レース以上出走

 

ネガティブな投稿はなくなり、その代わり、わずか8ヶ月の間に、

 

国内13レースと海外5レース、計18レース

 

を走破されました。中にはハーフマラソン等もありますが、ほとんどがフルマラソン。中には60kmのウルトラマラソンや、夜通し走る12時間走も。

 

1ヶ月平均、2レース以上に出場されていることになります。

 

海外5レースと書きましたが、たった8ヶ月で海外のマラソン大会を5つも走るランナーって、そういないと思います。しかも海外出張の合間にでたレースはなく、すべて自分で飛行機をとって、そのレースのためだけに国際線に乗って行ったのです。中には、「日本人は自分以外、一人もいなかった」とコメントされてるレースもありました。

 

僕みたいな、スズメのメンタルでは到底できないことも、この8ヶ月でやってのけられました。

 

メンタルも、脚も、心肺機能も鍛えて。

 

彼は臨みました。

 

そしてサロマへ

 

日曜日に行われた、サロマ湖100kmウルトラマラソン2017。

 

通常の100kmウルトラマラソンの制限時間は14時間ですが、サロマは13時間

 

前半は、フルマラソン5時間ちょっとのペースで走らないと、関門を超えることができません。そのタイムは、彼にとってはかなり高いハードル。前出の18レース中でも、サブ5で走破した大会はわずかに1つだけです。

 

午前中、僕は外出していましたが、出先で9時33分、スマホでのぞいてみたところ、藤田さんは、後に12時間ジャストでゴールすることになる女性ランナーより前を走っていました。ほぼフルマラソンの位置でした。前半の関門を越えるため、彼としてはかなり飛ばしていたのだと思います。

 

僕は11:50に帰宅しました。

 

すぐにランネットの「応援ナビ」につなぎ、藤田さんの状況を確認しました。

 

 

▼応援ナビの画面。ここに氏名やゼッケン番号を入力すると、選手の現在位置が表示される。f:id:maddiehayes9915544:20170628082627p:plain

 

彼は中間レストを超えたところでした。僕はまだたどり着いたことのない中間レスト。

 

藤田さん、すごい!!

 

そこからはもう、パソコンの前から離れることができませんでした。

 

次々と、関門を突破。

 

彼は着実に、関門を越えていきます。

 

信じられない…。

 

北海道マラソンさえ完走していないDランナーに、できることとは思えない…

 

それを、目の前のパソコン画面は、彼がやってのけていることを示しています。

 

もう、涙が溢れて止まりません。

 

「頑張れ、頑張れ!!」

 

僕はロードで応援するときと同じように、パソコンの前で手を叩いて応援していました。

 

厳しい気象条件

 

特に昨日は、昨年以上に寒く、雨が厳しく、過酷な環境だったとのことです。

 

10回以上連続で完走しているベテランランナーでさえ、昨日はタイムアウトという大番狂わせもありました。

 

極寒のワッカで彼を守ったもの

 

そしてついに、80km地点を越えた彼。「ワッカ」、つまり「ワッカ原生花園」に入りました。

 

6月最終日曜日に行われるこの大会、晴れると真夏の暑さがランナーを苦しめますが、そんな日でも、ワッカに入ると肌寒い、と聞きます。

 

ましてや、雨で10度前後のこの日。ワッカは雨に加え強風が吹き荒れ、何人ものランナーが低体温症でリタイアしている、との情報が流れ込んで来ていました。

 

揶揄する意図は全くありませんが、もしかしたら、ここでDランナーの数少ないアドバンテージが、藤田さんを助けたのかもしれません。

 

ランナーの体脂肪率って10%かそれ以下が多い中で、Dランナーの体脂肪率は30%。いつもは邪魔なこいつが、「寒さ」という敵からは守ってくれる大いなる味方になります!!

 

もちろん彼は秋口からかなり減量されていると思うんです。それは写真を見ればわかります。

 

でもわずか半年では劇的に体脂肪が減ったとは思えません。もし減っていたらそれは病的な痩せ方で、100km走ろうって人間の痩せ方ではありません。

 

まだ彼の体脂肪は30はあるはず。そしてそれが、彼を守ったんだと思います。

 

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彼のペースがぜんぜん落ちないことに、僕は驚きを隠せませんでした。確かにフルマラソンを何度も走って練習を積み重ねていましたが、前半はこれまでにないほどのペースで飛ばしたはず。疲れが見えて来てもいいのに、ずっと、イーブンペースで走っています。

 

ゴール予想:30秒前

 

「応援ナビ」というアプリは、ゴール時間を予想してくれます。それによると彼のゴールは…

 

制限時間の31秒前を予想していました!!

 

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実は彼の前方400mには、史上最年少でサロマンブルー(この大会を10回完走した者に贈られる称号)になり、毎回、制限時間ギリギリで完走する鈴木健司さんが走っています。鈴木さんの真後ろにいるということは、ギリギリで完走できるはずです!!

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でも鈴木さんは、12時間59分でゴールされた年もあります。400mのビハインドが命取りになる可能性も否定できない…

 

キロ8分で走っている彼に残された時間は、まさにギリギリでした!!

 

「藤田さんは頭がいいから、計算はできているはずだ!!」

 

とは思いながらも、あまりのギリギリ具合に固唾をのんで見守っていました!!

 

完走

 

そして…

 

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彼は、やってのけたのでした。

 

僕は手を叩いて、このゴールを喜びました。

 

帰宅して約6時間、ほとんどパソコンの前から動くことができず、彼を示す点の動きを見守っていました。

 

おめでとう、おめでとう、すごいね、と、ずっと呟いていました。

 

でも、その時、僕は思いました。

 

僕が完走できないと思った北海道マラソン、彼は札幌の道の上で僕を応援してくれた。

 

心臓にメスを入れた次の日も、彼は病院まで来て励ましてくれた。

 

でも僕は、彼の一世一代の挑戦の時に、その場にいなかった…

 

なんて、薄情者なんだ…

 

ごめんね、藤田さん。僕はサロマに行くべきでした。

 

でも僕もメンタルが弱いから、まだサロマに行く勇気がなかったんです。

 

でもこの日、あなたに勇気をもらいました。

 

サロマ湖100kmウルトラマラソン、初挑戦にして、初完走を果たした藤田さんは、Dランナーの誇りと言っていいと思います。